ちまちま本舗

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黒VS白 サンプル

原作版書き下ろし(R18) オフセット/A5/60P(表紙含)より少々抜粋

■黒魔法青年ダーティひむりん参上! アリス視点



「アリス! どうか俺と一緒に来て、白魔法青年きゅーてぃアリスになってくれ!!」
「……は?」
 玄関の扉を開け放つと同時に、いきなり意味不明なことを言われて、思わずバタンと勢い良く玄関ドアを閉め、相手を閉め出してしまった私は悪くない。そのはずだ。
 今さっき私が目にしたのは、我が親友の火村英生だと思うのだが、それにしては発言が突飛過ぎて、徹夜明けの自分が妄想を見たと思うほうが、まだ信じられる。
 だいたい、白魔法青年きゅーてぃアリスってのは何なんだ。火村が魔法少女アニメを見てるような素振りも今まで無かったが、もしや隠れオタクとか?
「アリス!! 頼む! もう一度、このドアを開けてくれ! ちゃんと説明するから!」
 ドンドンとドアを叩く幻聴まで聞こえてきたが、私は何も見なかった! よって、この音も幻聴なのだ。よし。今日は天気が良いから洗濯しよう、そうしよう。外廊下から呼びかける声を無視して、くるりと踵を返し、居間方面へ戻りかけたのだが。
「アリス! アリス! ……っくそ! こういう時は!」
 ガチャリ、と電子錠で施錠してあるドアが勝手に開いたのを、思わず振り向いた私の目が捉えた。何か火村がむにゃむにゃと意味不明な言葉を言った途端に、玄関のドアか勝手に開いたのだ。魔法!? そんな馬鹿な。
「えっ!? うそやん!」
 つい先日、大家がセキュリティ強化で最新式の電子錠に取り替えたばかりで、火村には合鍵のカードキーも渡してないし、暗証番号も教えてないのに!
「悪いが、中に入らせてくれ。きちんと事情を説明したい」
 きりっとした顔で玄関に入ってきた火村の格好は、いつものように碁石みたいな黒と白。グレーのワイシャツに白のジャケット。黒のスラックスに、黒いネクタイをぶら下げて、床屋に行ったばかりなのか、若白髪交じりの髪は普段よりは多少整っていた。
 外見は普段通りなのに、発言内容がぶっ飛びすぎて。
「めまいがしそうや……」
 嘆く私を他所に重いドアが閉まり、電子錠のオートロックがかかる中、はぁぁ、とため息を付いた私の前に、するりと火村の背後から黒い猫が姿を見せる。真っ黒の毛並みに金色の瞳の黒猫だ。
「あれ、新しい猫、飼うたん? 美人さんやな」
【私を飼うとは生意気ですね。むしろ、この男、黒魔法青年ダーティひむりんこそが、私の下僕なのです】
「は?」
 今のちょっと高めの声は、誰が発したんだ?、ときょろきょろと見回すが、火村は口を閉じたままで、右手で下の方を指した。つまりは、彼の足元にいる美人な黒猫の方を。
【全く、人間というものは、固定観念が強くて困りますね】
「うわっ! この猫、喋ったで!?」
 火村が指し示す下を見たら、猫の口がぱくぱく開閉すると同時に、私の耳にさっきの声が聞こえた。びっくりして一歩後ずさったら、あっさりと火村は軽く手を振って否定する。
「いや、そこの驚きはいい」
「いらんのかい」
「……いや待て。俺は猫が喋ることに対して全く驚かなかったから、ここらで普通に驚くアクションは必要なのか。よし、アリス、悪いがもう一度しっかりと驚いてみせてくれ」
「君、無茶言うなや。一度止めたんを巻き戻すな」
「いいから、早く。次に進まない」
 ほら早くと促され、私は仕方なく口を開く。既に最初に驚いて声を出したのはスルーかい、この野郎。
「猫がシャベッタァアアアア(棒読み)」
「もうちょっと抑揚をつけて」
「うっわ、喋ったー!? ……もうえぇやろ?」
「セリフが短くなってるぞ。もう一回やり……」
【もう結構ですから、先に進みますよ! ああ、ここでは何ですから、上がらせてもらえませんか?】
「あ、はい」
 火村をピシリと遮った黒猫は、前足でちょいと廊下の奥を指したものだから、私はついつい頷いた。
頷いてしまったことを後悔するのは、この後まもなくなのだが、元より火村と関わりを持った事自体が既に後の祭りという事実に、このときはまだうかつにも気が付かなかったのだ。



中略



「お、お風呂やんな。えっと……俺も……脱がんと」
 視線を下に向けたまま、のたのたとアリスが衣装を上から脱ぎ始め、滑らかな肌にハァハァと息も荒く震える手を伸ばしたところで、足首に痛みが走った。
【そろそろお湯を止めなさいと言ってるんです、このお馬鹿!】
「いってぇよ! くそ猫め!」
【さっきから、ちゃんと口で何度も、湯を止めろと言ってるのに、聞いてないのは誰ですか!】
 チッと舌打ちして、湯気のこもる風呂場のタイルに足を踏み出し、蛇口をしっかりと締めて、これでいいんだろ?、と脱衣所を振り返った俺は、そこに見た絶景に、不覚にも勢い良く鼻血をタイルに撒き散らす失態を犯した。
「な、な、なんっ……」
 乳首しか隠れてないような黒の細い紐ビキニと、ふりふりのフリルや繊細なレースに彩られた太めの黒紐や黒リボンが、アリスの腰や首や太ももに絡みついて、白い肌に黒が映えるのなんの。肌が絶妙に透ける黒のレースのガーターベルトの下には、これまた黒で細い紐みたいなささやかな布面積のショーツが、大事なところを覆っているが、アリスの息子が勃起してるせいで膨らんでるのがエロい。
 これをあっけらかんと着ていれば、まだ色気も多少は飛んでただろうが、もじもじと恥ずかしそうにしているものだから、たまらない。こんな格好のアリスなんて、夢で見て抜いた以来だ。
「うわーっ! ひむら、鼻血がっ!」
 ぼたぼたっとタイルに落ちた鮮血に、あわあわと慌てた顔でアリスが寄ってくるが、そのえっろい衣装で来ると逆効果過ぎて、この場で昇天しそうになる。というか、クールで売ってる俺がこんな失態をするはずはないのに! と焦れば、視界の端でノワールが尻尾をフリフリしているのが見えた。お前か、鼻血吹かせた犯人は! 俺の血液に魔力を込めて吹きやすくしやがったな!
「と、とりあえず、上向かな!」
 そんで座っとこ、とアリスが俺を抱き込んで膝を貸してくれるのはいいのだが、ぶっちゃけ、股間が痛すぎるし、タイルも冷たい。
「あ、アリス……っ」
「興奮したらあかんよ、もうちょいこのままやで」
 はい拭き拭き、と鼻の下を優しく拭いてくれるのは嬉しいが、そろそろ色々と限界だ。
「アリス…っ、今、俺はあの馬鹿猫のせいで、妙に体液を吹きやすくなってるから、こんなことになってるだけであって、鼻血はもういいから、……うっ!」
「うわ、ほんまや。すごいビンビン」
 そろりと手で陰茎を撫でられるだけで、ものすごく腰に来る! しかも、立派やなぁなんて嬉しそうに言いながら、アリスは手で愛撫してくるからたまらない。
「で、でるっ! 出るからっ! 離せっ」
「ん、出してえぇよ? いっぱい、ぴゅっぴゅしよな?」
 にこにこと慈母のようにアリスが微笑むが、俺だけ先に手で刺激されてあっさりイクとか、魔法で敏感になってるにしても恥ずかしすぎる!!
「くそっ!」
「ん? ……ひゃぁっ! あっあっあっぁんっ」
 手を伸ばして、アリスの乳首を揉みしだき、ついでに水着だかエロ下着だか分からないような布地をずらして、ぴょこんと出たピンク色の乳首に口を寄せて吸い付いた。れろれろと舌先で乳首を舐めると、ぶるぶるとアリスが震えて、俺の息子をしごいていた手が止まる。
「はぁ……アリス、かわいい」
「む、むね……あかんよぉ……っ」
 ふああ、と甘く声を上げて逃げようとするアリスを追うように体を起こして、くねる細い腰を両腕に閉じ込めて、壁際に追い詰める。
「すげぇ眺め」
「っ、こ、これは俺がやったんとちゃうって」
 俺の視線から逃げるようにうつむいて、身体を丸めるアリスを見下ろし、そうだろうな、と含み笑う。
「そのえっろい衣装に、ザーメンぶっかけたい」
「うっ……た、体液は、俺が舐めないと……あかんのとちゃう?」
「そのほうがエロいな」
 はぁ、と熱い吐息を零して、膝立ちで腰を突き出すと、ごくんとアリスが喉を鳴らした。
「ほら、アリス。美味しいペニスをしゃぶってくれよ」
 どうせなら甘いほうがいいよなと、キッチンにある蜂蜜を思い浮かべれば、手の中にぽすんと容器が転送されてくる。思い浮かべるだけで転送できるとか、何気に便利だな、と心がぐらつくが、こんなことくらいで悪の秘密結社とやらに魂を売るものか!
 ともかく、無事に蜂蜜が手に入ったので、ピクピクと張り詰めている自分の竿に蜂蜜を垂らしてみる。
「……おん」
 甘そう、と呟き、警戒を緩めた様子のアリスが、竿についた蜂蜜を舌先でちろちろと舐め始め、くすぐったさと視覚の暴力に頭がくらくらしてきた。つぅぅっと鼻からまた血が垂れた気がするが、もうそんなことどうでもいい。どう考えても初めてだろうと思うような、たどたどしい舌の動きに異様に煽られて、マトモな思考が掻き消えそうだ。
「っは、はぁっ……アリスっ……やばい……でそうだ…ぅっ…く、ふ、ンン」
 出そうだ、と告げたと同時に、あーんと口を開けたアリスが、無造作にぱくんと先端を口に含んだ。それだけでもう腰がガクガクして、アリスの頭を壁に押し付けて喉の奥までペニスを突っ込みたいという欲望が膨れ上がるが、初心者相手にイマラチオなんてやったら確実に嫌われる、と理性の欠片が叫ぶ。
「う……っ、あ…りすっ…ンンっ……くち…は、なせっ」
「っぷぁ……くひに……らひて……んむ」
 ぷりぷりの唇で咥えたままで、ちゅうちゅうと吸い付くやつがあるか! 馬鹿野郎っ!
「うっ! 吸うな……っ、がまん……できな…っ」
「ん? んむぅぅぅぅぅぅっっ!? ぐふっ!」
 ぎゅっと目を閉じ、手で頭を押さえつけたアリスの喉の奥に限界まで突っ込み、びゅるるるるるっと精液を迸らせて、ずるりと引き抜く。
「っはぁ、はぁ、はぁ、はぁ…っは、あ、……ふーっ、……あ!」
 しまった! ついうっかり欲望のままに、許可も得ずにイマラチオなんて強引にやってしまったが、アリスは大丈夫か!?、と慌てて目を開けると、だらしなく口を開け、その唇の端から俺が出した精液を垂らして、目に一杯涙を溜めて壁にもたれてへたりこんでいるアリスが見えた。その涙に濡れた視線は焦点が合ってない。
「ア、アリス……?」
【あー、いきなり喉奥を犯されて、怖かったんやな。叩けば正気付くやろ】
 ぺちぺちとステッキの先でテディがアリスを頬を叩くと、ふっとアリスの視線が焦点を結び、ぼろぼろっと涙をこぼした。
「ひっ…ぃっく……うえ……ぇ」
「アリス、悪い、大丈夫か!?」
「うっ……まっず…っ」
 苦いし臭い! と叫んで立ち上がり、俺の横をすり抜けてシャワーヘッドを抱え込んで口をすすぎ、ガラガラとうがいを始めたアリスの様子に、強引に事を運んでしまった俺は、それはもう必死で謝った。
「悪かった! もうしない! もうヒドイことはしないからっ!」
「……喉塞がれて、死ぬかと思った。ちゅうか、寒い」
 ぼそりと言ったアリスは、シャワーを止めて、ざぶんと湯船に入る。追いかけて俺も湯船に浸かれば、かさが増してザザーッと湯が溢れて落ちる。
「ごめん。本当に悪かった」
「むっちゃマズイし」
「……だよな」
「君も、俺の舐めたら、このマズさが分かるやろ。いきなり喉の奥まで突っ込むとか、何の罰ゲームやねん」
 ケッと毒づかれて、ついうっかり再度の謝罪よりも口応えのほうが先に出た。
「お前の口が最高にいやらしいのが悪い」
「ぁあ?」
 最高に不機嫌なアリスのジト目にもめげず、俺はアリスの肩を両手でがっちり掴み、琥珀の瞳を覗き込んでまくし立てる。
「なんだあの、ぷりっぷりの唇は! リップクリームも塗ってないのにツヤツヤで、むしゃぶりつきたくなるし、それが俺のギンギンの息子をすっぽり咥えて、ちゅぱちゅぱ無邪気に吸い付いて、ちっちゃな舌で一生懸命にペロペロしてるのが最高に可愛いし興奮するし、しかも、上目遣いでこっちを見上げるから、見下ろせばえっろい衣装着てるし、最高にフル勃起だ、畜生。こんなの我慢できずにイマラチオくらいする! 絶対だ!」
「……あ、あの、ひむら? もしもし?」
 俺がぺらぺらと喋った内容に、ぽかんとアリスが口を開けた。何かヤバイスイッチ押したのかという顔で恐る恐る見上げているから、これみよがしにニヤリと笑ってやる。
「お前の分身、舐めろって言ったな? 舐めてやろうじゃないか。俺の舌技で昇天しろ」
「え、あの、ひむ…っ、うわぁっ!」
 慌てたように立ち上がりかけたアリスをそのまま湯船の淵に座らせるように押し付けて、紐ショーツを引き下ろして分身を握り、しこしこと手で刺激する。
「ひっ!? ま、待って、ひむ……んああ!」
 アリスが俺にしたように、口にペニスを含んで舐めしゃぶると、むくむくと分身は質量を増した。可愛いやつめ。俺がぺろぺろしたことで、ぴくぴくと物欲しそうに鈴口から我慢汁を垂らすとは、さては結構エッチなのを隠してやがったな。
「ひぃもひひいか?」
「アホ、しゃべんなっ! あっあっあっ、はな、離せっ、なぁ、ほんま、離してぇっ」
 誰が離すかよ。ふーっふーっと鼻息荒く、ぺろぺろと舐めしゃぶり、ぐぽぐぽとストロークをしていけば、半泣きで喘ぐアリスが俺の髪の毛をぐしゃぐしゃにかき回す。気持ちいいと言ってるのと同じ様子に、嬉しくなって、揺れる陰嚢も手で揉みこむと、またびくんっとアリスが身体を大きく震わせた。
「っや、ひむ、ひむらっ…むりっ…も、でる…でるっ…離して…あかんっ…んぁあああっ!」
 びゅるびゅるっと口の中に青臭い匂いと、どろりとした体液が広がった。なるほど、確かにコレはまずい部類の味だな。愛がなければ飲めないやつだ。
「はーはーはーはー……っん、なぁ、ぺって出し? ぺって。まずいやろ?」
「んん」
 ふるりと首を振り、ごくんと精液を飲み込んだ俺を見上げて、アリスがぎゃああと叫ぶ。がしっとアリスに肩を掴まれて、がくがくと揺すぶられ、俺の頭ががくんがくんと前後にブレる。
「吐けっちゅうたやん! 飲むなや! 恥ずかしい!!」
「アリスが出したものは飲むのが礼儀かと」
「そんなん、マズイ連呼した俺が薄情みたいやんか!」
【まぁ今の飲精で、少しは魔力中和しましたけど】
 ほんの三パーセントと風呂の端に居たノワールに言われ、揺するのを止めたアリスと俺は顔を見合わせる。
「さっきの鼻血は?」
「ああ、二パーセントくらいですかね」
少ない。もっと鼻血を沢山吹けばいいのか。いや、待て。本番なら多分、もっと濃い体液を渡せるわけだから。全部、アリスの身体に……中出しすれば――。
 ごくっと唾を飲む俺を、ちらりと見たアリスが、は~ぁ、とひとつ大げさなくらいにため息をつく。
「しゃあない。本番したるわ」



中略


「はぁぁ……っん」
 今から抱くという合図のように、ちゅっと口付けしてくれた火村が、ひたりと蕾にペニスを宛てがい、ゆっくりと腰を突き出してくる、二度目の挿入の感触がオナホの時よりも、もっとはっきりと皮膚に伝わって、ドキドキと心臓が煩い。
「……痛いか?」
「へ、へいき……や」
 ぞわぞわと背筋を震わせる何かが腰から背中に駆け上がって、あられもない声が出そうだ。
「じゃぁ、奥まで……挿れる」
「おん……っあ、あ、っんんぅ」
 あああ、太くて熱いのが奥まで入ってくるっ! 痛みはテディが軽減してくれている分、痛いとは感じなくて楽なのだが、奥まで届くと圧迫感が凄い。ぶるっと身体を震わせれば、お尻に陰毛が当たってちょっとくすぐったい。暖かな火村の足の付根とか、タマとかもぴったりとくっついているから、本当に全部、彼のものが奥まで私の中に入ってるのだと思うと、何とも言えない気分だ。嬉しいのと、もう親友には戻れない一抹の寂しさと――。
「はぁ……お前の中、きつくてとろとろで最高だ、アリス」
「うう、奥までギッチギチやんか……腹、苦しいっ」
「ああ、悪い」
「ひゃぁん!」
 奥まで突っ込みすぎたと思ったのか、にゅぐっと少し抜かれて、びくびくっと私は戦慄いた。初心者相手にオナホと同じような勢いで抜くんじゃない! 感じてまうやんか!
「あー、すげぇな……ちょっと動かしただけでも気持ちいい」
「う、うう、ゆっくりっ……ゆっくりしてぇ」
「ん。動くぞ」
 さっきよりは少しゆっくり、ずるると抜かれて、またずぷぷっと肉棒が動かされる。ごりごりとこすられて、びくんと身体が仰け反った。

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